目次
静岡・掛川市にある「掛川城」の天守閣は2024年で開門30周年。県外からのお客さんも増えています。
今回特別に忍者がガイドをしてくれました!
静岡発のアイドルグループ、fishbowl(フィッシュボウル)の静岡市出身、新間いずみです。「しんま」ではなく「にいま」と読みます。2023年からWasabeeで連載がスタートし、第1回は静岡市西部を、第2回は焼津市を旅しました。
3回目となる「新間旅」は掛川・天竜区編です。予算は毎回1万円!新間いずみが行きたいところを旅します。
掛川駅からスタート
今回は掛川市の玄関口、掛川駅から旅を始めます。
静岡で活動する私たちfishbowlも、掛川でライブやイベントを行う際はよくこの掛川駅を利用します。
そんな掛川駅から続いている通りには「掛川城天守閣開門30周年」の旗がずらりと飾られています。
旗に付いて行くように歩くこと約10分。
「緑橋」と書かれた橋を渡ると掛川城に到着。そこは昔にタイムスリップしたかのような景色が広がってきました。
掛川城は今から500年ほど前に作られたお城です。
学生時代に歴史をきちんと勉強してこなかった私より、みなさんの方が知っていると思うので難しい話はここではしません。逃げてませんよ。
案内してくれる方の話を理解できなかったらどうしようという気持ちと、学生時代もっと勉強してくればよかったという思いで少し緊張しながら、掛川城の門をくぐっていきました。
門を入ってすぐ入館券売場が見えてきました。
ここでは掛川城の天守閣と御殿を見学できる「掛川城天守閣・御殿」の入館券と、掛川城と二の丸茶室と竹の丸を見学できる「周遊券」が販売されていました。
私は「掛川城天守閣・御殿」の入館券を購入しました。
[入館券410円] のこり9590円
忍者登場!
すると突然、忍者が現れました。
忍者の姿でガイドをしてくれる忍者ガイドの小澤孝司さんです。
小澤さんは「退職後も人とコミュニケーションをとっていきたい」、そんな気持ちから知り合いのすすめで掛川城のガイドになりました。
歴史を勉強し始めたのもその頃からで、はじめは普通のガイドさんとして活動していました。より多くの人が掛川城に来てくれるためには「忍者でガイドしたら面白いのでは?」と思いつき、忍者ガイドになったそうです。
この日は天気が良かったのもあり、全身黒尽くめ小澤さんは少し暑そう。忍者も大変だなと感じました。
毎月第1、第3日曜日は「忍者の日」。忍者が掛川城のどこかにいます。事前に電話で連絡し、忍者と日程が合えば無料でガイドしてもらうこともできます。
敵も大変 天守閣を目指せ
ここからは忍者ガイドの小澤さんに掛川城を案内してもらいます。
早速、小澤さんからクイズが出題されました。
忍者ガイド・小澤孝司さん:
問題! 今から行く天守閣と御殿、普段お殿様がいるのはどちらでしょう
私は勢いよく「天守閣」と答えました。
正解は御殿。
どれだけ歴史の勉強ができないかわかったでしょう。
それだけ目の前にある天守閣が高くて大きくて立派だったので、お殿様は常にそこにいると思ったのです。
お殿様は普段は御殿にいて、敵が攻めてきた時に避難するのが天守閣です。
掛川城の天守閣は江戸時代に起きた安政の大地震によって損壊してしまい、石垣のみになってしまいましたが、1994年に当時の設計図をもとにして木造で復元され、日本で最初の木造復元天守閣となりました。
そして2024年で開門30周年を迎えます。
そんな話を聞きながらいざ天守閣に登っていきます。
敵が簡単に登って来られないように築かれただけあって、階段も一段一段が高くて、数段登っただけでヘトヘト。
登るだけでも大変なのに、忍者の小澤さんによると敵が攻め込んできたときは階段に油が塗られたこともあるそうです。敵はその油で立て続けに滑って転んで、踏んだり蹴ったりです。
天守閣を囲むようにある塀には三角や四角の穴が空いていました。
三角は鉄砲、四角は弓矢を撃ち込むための穴です。
階段でも転ばず、弓矢や鉄砲を潜り抜け、ここまで登れた人はいたのだろうか。
抜群の運動神経の持ち主や運が良すぎる人なら、もしかして登れたのかもしれません。
掛川城の別名は?
階段を登った先には太陽の光をたっぷりと受けた真っ白な天守閣。
階段の下から見ても大きさに驚きましたが、近くで見るとその迫力に息を飲みました。
そんな天守閣の近くには井戸がありました。
井戸の深さは45mと、日本で3番目に深いとされる城郭井戸なのだとか。
実際にのぞいてみるとはるか下の方に水面が見え、落ちてしまったらそう簡単に登ってこられなさそうだと感じました。
この井戸はその昔、敵が攻めてきた時に井戸から霧が出て、お城を隠し守ったという言い伝えがあります。
そのため掛川城は別名「雲霧城(くもきりじょう)」とも呼ばれます。
そんなうまい話があるのかと思いましたが、小澤さんいわく、諸説あるが確かに掛川城付辺は霧がよく出るそうです。
冬に気象条件が重なると日中でも天守丸周辺から霧が発生することがあるそうです 忍者ガイドさんも過去に3回その場面に遭遇したそうです。
タイミングが良ければ霧に囲まれた雲霧城に巡り会えるかも。
殿気分で「天守」から絶景を眺める
ここまで登ってこられた運動神経や運が良すぎた敵になりきり、いよいよ天守閣に登っていきます。
天守閣は外から見ると3階建てです。
中の階段も大変急で、昔は手すりもなく1人が通れるくらいの狭さだったため、登ってきた敵を確実に仕留める造りになっていました。
最上階まで行くと大変見晴らしがよく、掛川のまちが一望できます。
天気がいいと富士山も見えるそうです。
ここで小澤さん「本当は掛川城は4階建てなんですよ」とぽつり。
最上階まで登ってきましたが、3階建てだったはず。
小澤さんに連れられて階段を半分下に降りると、なんだか怪しいスペースが。
この隠れ部屋は、家臣がお殿様を守る最後の抵抗をするために隠れる「武者隠し」というお部屋。
そんなひっそりとある隠れ部屋の前で、小澤さんもよく来場者を驚かせているようです。
忍者かっこいいな、アイドル辞めたら忍者になろうかなと考えていたら、小澤さんに「忍者はそんなかっこいいものじゃないよ」と言われました。
当時の忍者はスパイ的な役割で、薬を調合したり、火薬を作ったりそんなに派手に戦ったりしなかったそうです。
江戸時代になり戦がなくなると、失業した忍者の中には薬屋さんや花火師になった人もいたそうです。
今の薬屋さんや花火屋さんに忍者の子孫がいるかもしれませんね。忍者のことがもっと知りたくなりました。
お殿様のお家「御殿」へ
次に御殿に向かいます。
掛川城の御殿は江戸の後期に再建されたまま現存している数少ない御殿で、1980年に国の重要文化財に指定されたとても貴重な建物なんです。
御殿は普段お殿様が住んでいただけあり、とても華やかです。
メインとなる玄関はお殿様専用の玄関だそうで、位によって入れてもらえる玄関も違います。
私は、気持ちはお殿様なのでメインとなる玄関から入ります。
現在の御殿は掛川城にまつわる品が数多く展示されていました。
お殿様が生活していた場所にズカズカ入っていくことに多少申し訳なさを抱きつつ、その広さに当時の生活の豊かさを感じました。
ここで小澤さんからまたクイズが出題されました。
「これは何でしょう?」。
円筒形をした入れ物「行器」は「ほかい」と読むそうです。
その用途は「お弁当箱」が正解ですが、なんと戦の帰りには相手の首を入れて帰ってきたとも言われています。
ひえぇぇぇぇ。まさか首を入れた後、またお弁当箱として使ったりしないですよね。
お土産を購入
一通り御殿を回ったところで、入口にあったお土産を見ることに。
神社などでもらう御朱印のお城バージョン「御城印」が売られていました。
その中に金魚のイラストが描いてあるものが!
私の所属するアイドルグループ「fishbowl」の由来は「金魚鉢」なので、ときめいて購入することに。
それと、ここまで案内してくれた小澤さんとの思い出に、手裏剣を購入しました。
お土産は読者のみなさんに抽選でプレゼントします。旅の最後の記事で応募方法をご紹介するので、お見逃しなく。掛川城、最初は歴史を知らないと楽しめないのかもと思っていましたが、そんな私でも忍者ガイドの小澤さんのおかげもあり、とても気軽に歴史に触れることができました。
次回は掛川城内にある「二の丸茶室」についてレポートします。[御城印 600円]
[手裏剣 230円]のこり 8760円
■施設名 掛川城
■住所 静岡県掛川市掛川1138番地の24
■営業時間 9:00〜17:00
■定休 年中無休
■問合せ 0537-22-1146
■駐車場 大手門有料駐車場、掛川城公園有料駐車場
取材/新間旅
【もっと見る! 新間旅の記事】